毎日精神科の訪問看護を行なっていますが、主な看護の内容は「話をする」ことです。対話なくしては精神科看護は成り立ちません。対話の基本は、相手の話を、相手の身になって、ありありと聞く事です。

〈なぜ傾聴が必要なのか?〉

・傾聴できると人間関係が良くなる

・相手を助けることになる

〈傾聴とはどんなことか〉

傾聴とは、一言で言うと、相手の話を聞くことなのですが、聞き方にも色々ありますよね。

「聞く」と「聴く」では同じ「きく」でも異なります。

聞くことは単なる言葉のやりとりですが、聴くことは言葉尻だけでなく相手の気持ちを理解しようとします。

傾聴とは相手の言葉を聞くことではなく、相手の伝えたいことをなるべく相手の身になって共感し、理解したことを言葉でフィードバックしていきます。

現代人は希薄な人間関係の中で孤独を深めています。わかって欲しいのにわかってもらえない寂しさを抱えながら生きています。そこで、相手のことを良く知りたいと思い、興味を持ち、傾聴することで「この人は私のことをわかってくれる」「この人は私のことを大切にしてくれる」と感じてもらうことができ、相手の助けとなって信頼関係を築くことができるのです。

〈傾聴の基本〉

傾聴の目的には主に3つあります。

1つは相手を正確に理解することです。

2つは聞き手が理解した内容を相手にわかりやすい言葉でフィードバックすることです。

3つは相手への理解とフィードバックを繰り返す事により、聞き手と話し手との間に肯定的な人間関係(ラポール)が生じ、このラポールを確立することです。

傾聴技法には4つの技術があります。

・明確化ーあいまいな発言をはっきりさせる

・感情反映ー感情に焦点を当てる

・言い換えー感情以外の事柄を意訳する

・要約ー複雑な発言を整理する

これらの技法を意図的に使うことによって、話し手と聞き手との間に肯定的な人間関係が形成されていくのです。

〈おわりに〉

傾聴について書いてみましたが、傾聴は本当に奥が深く、実践していく中で難しいなぁと感じています。プロのカウンセラーであっても、傾聴を極めたとは言えないと感じているとのことですので、これから人の話をじっくり聞いてみよう❗️という方は、まずは相手のことを知りたいと興味津々な態度で聞いてみると良いのではと思います。